澄んだ夜空に目を向けると、無数の星々が連なり、天の川が静かに光の道を描いています。

山形県・鳥海山から見上げるその光の帯の下には、街の灯りが点々と広がり、人々の暮らしが息づいています。

夜空に連なる星々と、地上に灯る街の明かり。

そのどちらも一つひとつは小さな光でありながら、互いに連なり合うことで大きなつながりの風景を形づくっています。

平成22年9月に東北精神保健福祉学会が発足し、東北精神神経学会との共催による東北6県持ち回りでの大会開催も、本大会で第17回を迎えることとなりました。

これまで本学会は東北各地を巡りながら開催され、地域の精神保健福祉の実践と学術の発展に寄与してまいりました。

このたび、第17回東北精神保健福祉学会を山形県において開催できますことを、大会長として大変光栄に存じます。

精神保健福祉の分野では、長期入院から地域生活への移行、そして地域での暮らしを支える支援体制の構築が重要な課題となっています。

医療、福祉、行政、そして地域社会がそれぞれの立場から関わり合いながら、誰もがその人らしく地域で暮らし続けることのできる社会をどのように実現していくのかが問われています。

本大会のテーマは

「この道の先へ 〜共に歩む地域移行の現在と未来〜」

といたしました。

ここでいう「共に歩む」には、二つの意味を込めています。

一つは、精神疾患を抱える当事者の方々と支援者が同じ歩幅で未来を見据えながら共に歩んでいくこと。

もう一つは、医療、福祉、行政、地域など、多職種・多機関が互いに連携しながら同じ方向を目指して歩んでいくことです。

鳥海山から見上げる天の川が無数の星によって形づくられるように、地域移行の歩みもまた、一人ひとりの実践や支援の積み重ねによって築かれていきます。

そして、その天の川の下に広がる街の灯りが人々の暮らしを映し出しているように、地域で生きる当事者の方々の生活こそが、私たちの支援の原点でもあります。

夜空の星と地上の灯りが互いに響き合うように、人と人とのつながりの中で支援は形づくられ、地域の中で新たな道が生まれていきます。

本大会が、東北各地で精神保健福祉に携わる皆様が集い、それぞれの経験や知見を共有しながら、これまでの歩みを振り返るとともに、これからの地域移行の未来を共に考える機会となれば幸いです。

令和8年10月4日、鳥海の空に広がる天の川のように、東北の各地から集う皆様の思いと実践が一つの光の道となり、その先の未来を照らす大会となることを心より願っております。

令和8年○月  

第17回 東北精神保健福祉学会 山形大会  

大会長  中村 成

(所属)酒田東病院